子どもが「死にたい」と言ったときのショックと対処のしかた。

ひとり娘が突然「自殺するわ」と言い出した!  15年間女手ひとつで育ててきてこれほどショックなことはなかった。そのときの状況と私の気持ち、そしてどう対処したのか書いてみたいと思う。

子どもが「自殺したい」と言い出した原因は身体的特徴

 

つい先日の2019年8月某日。

いつもと変わらぬ朝を迎えた私たちに悪夢が訪れた。

 

17歳の娘が突然こんなことを言ったのだ。

 

「ねえ、皮膚移植って高いの?」

 

「ひ、皮膚移植!?  ……皮膚移植!?…………ひ・ふ・いしょく!?」

 

私は同じ言葉を3回も繰り返し尋ねた。

そんな単語が私たちの会話に登場したのは生まれて初めてだ。

 

「皮膚移植? たぶん何百万も何千万もすると思うよ」

と私は平静を装って返答した瞬間戦慄が走った。

 

“とうとう恐れていたことが来たか……”

 

すかさず私の口から出た言葉は「頭皮でしょ?」だ。

 

予感は当たった。

 

娘は黒人系ハーフであるため生まれつきカールが強くかかっている。

娘の顔にはカールが似合うし、今までイジメられたこともない。

 

天パーだと就職の面接のときにかなり不利になる、と半年ほど前に娘が言っていた。

それ以外は髪の毛の悩みなどひとことも漏らしたことはなかった。

それが高校3年の今になってなぜ……

死ぬほど悩んでいたなんて……

 

娘は「頭皮でしょ」の切り返しを待っていたかのように強い口調で訴え始めた。

 

「こんなダサい髪の毛嫌だ!   もし結婚したとしても絶対に子どもは産まない!

もう死にたいわ!   20歳までに自殺するから!」

 

大ショックだった。

娘が「死にたい」と言ったのは初めてだ。

もともと家では口数が少ないがまさか自殺を考えてるとは夢にも思わなかった。

 

私の中で大きなモノがガラガラと崩れた。

背筋が凍った。

 

まず死ぬことだけは阻止しようと咄嗟に出た言葉は、

「パパは生きたくても生きられなかったんだよ。どうせみんないつか必ず死ぬんだからなにもそんなに早く死ぬことないでしょ。もったいなすぎるよ」

それがせいいっぱい考えた私の本音の心の叫び。

 

だが娘はひるまず捨て台詞を吐いた。

「じゃあパパと一緒に死ぬわ!」

 

パパは15年も前に亡くなってるのに再度道連れにしようとはどういうことなのか。

娘はヤケクソになってる。

 

娘は捨て台詞を吐いたままバイトに出かけた。

もしかしたら近くの線路に飛び込むかもしれない!

私はすぐにラインを入れて尋ねた。

 

LINE「どういう髪型にしたいのか画像を送って」

 

“頼む!  なんとか返信をしてくれ!”

 

数分後に娘が寄越したLINEの返信がさらに絶望的にさせた。

 

「もうどうでもいい」

 

胸が張り裂けそうになりながら私は出勤した。

 

“どうか死なないでくれ”

“いや、「死にたい」と言って死ぬ奴はほとんどいない。本当に死にたいときは黙って死ぬはずだ”

ふたつの思いが錯そうしたままハンドルを握った。

 

会社に着くなり一番仲の良い先輩にこの事件のことを打ち明けた。

先輩は落ち着きながら優しくアドバイスしてくれた。

 

「とにかく子どもに寄り添う気持ちになって貴女ができる限りのことをしてあげると娘さんにわかってもらって。どんなことがあってもお母さんが味方だよって。でもお願いだから『死にたい』とかは言わないでほしいと伝えたほうがいいよ」と。

 

トイレの中で涙が出た。

先輩は「泣いちゃダメ。お母さんがしっかりしなくちゃ」と肩を叩いてくれた。

そしてすぐに娘にLINEを入れた。

「わかった。ママができる限りのことをやるから」

 

送信したあと直ちにネットで『縮毛矯正』の美容院を探しまくった。

そしたらすぐに『ハーフの子の施術実績豊富な』美容院が東京に見つかった。

再び娘にLINEした。

「東京に凄い美容院を見つけたからすぐに行こう」

 

私は朝礼が終わるや否や娘のバイト先に向かった。

生存を確認するためだ。

会社からバイト先のコンビニまではわずか5分。

 

コンビニの手前で足を止める。

心臓はバクバクだ。

10mくらい離れたところからガラス越しに店内が見えた。

 

いつもと変わらない様子でレジを打つ娘の姿があった。

 

“よかった……生きてる……”

 

また涙が出そうになった。

いつもと変わらぬ娘を見ただけでこれほど安堵したことはない。

それでも心配なまま仕事に戻った。

 

当然その日はほとんど仕事に身が入らなかった。

 

『どうしたら娘の自殺を思い留ませることができるのか』

『どんな髪になったら満足するんだろう』

『いきなり死にたいじゃなくてもっと早く言ってほしかった』

『死ぬ死ぬと言って本当に死ぬ人はそうはいないよね?  むしろ予告してくれて良かったのか』

『あんなに健康で背も高くて顔だってそこそこなのに髪の毛がカールしてるだけで死にたくなるものなのか』

『あと70年も80年も生きれる人生をたったの17年で終わらせてしまうつもり!?』

 

そんな思いが何度も何度もグルグルと頭を巡った。

悲しいというより虚しさといくつもの『なぜ?』が湧き上がる。

 

子どもの自殺願望は踏みとどまったのか

 

会社に着くなり相談した先輩の他に、実はもうひとりの友人に電話で打ち明けた。

その友人は私たち親子のことを長年よく解ってくれている。

 

彼は電話越しにこうアドバイスしてくれた。

「普通にしてていいと思うよ。〇〇ちゃん(娘の名)はなんだかんだ言ってお母さんの出方を見てると思う。お母さんが変に動揺したりすると〇〇ちゃんは余計に気を遣うというか立場がなくなるじゃん。いつも通りでいいよ。それと『死にたいなんて言わないで』というセリフも言わなくていい。そのセリフって最後の砦だから今それを言っちゃうと後が難しくなると思う。とにかくいつもと同じくフツーで」

 

お昼休みのこの10分の会話に私は大いに救われた。

スーっと肩の力が抜けた気がした。

 

“いつも通りフツーでいいんだ”

 

午後2時すぎ。

バイトの休憩時間にやっと娘から返信が来た。

返信が来るのをどれほど心待ちにしたことか。

 

「すいません」と土下座して詫びる3つのスタンプに私はまた涙が出そうになった。

 

「謝ることないよ。ママがわるかった。東京の美容院に行こう」

 

その後は娘と日程調整しながら直近で美容院に予約を入れた。

私は仕事を半日休んで美容院を最優先させた。

 

娘にとって生まれて初めての美容院。

担当したスタイリストのお姉さんがこれまた最高によかった。

娘のもともとの髪などをさりげなく褒めながらフランクに的確に言葉を選んでくださる。

お姉さんが女神に見えた。

娘の表情がだんだん柔らかくなり笑みもたくさんこぼれるようになった。

 

わずか3時間であれほどチリチリだった娘の髪が見事にまっすぐになった。

すごい技術だ。

娘はソワソワしつつも満足げに髪を触って「ヤバっ」とつぶやいた。

 

施術後の写真を撮ろうとしたときに娘が「ピースサインしようか」とニヤけながら言った。

よほど嬉しかったんだと思う。

 

道中かなり大変な思いをして辿り着いたがこの美容院に来て本当によかった。

あとは3か月ごとにリタッチをしてメンテナンスすればいいらしい。

おそるべしプロの技術。

 

あれから娘は相変わらずバイトや遊びに夢中だ。

今のところ自殺する気配はない。

親子の関係は前と変わらず良好だ。

 

子どもへの接し方の反省と考察

 

子育てというものはつくづく思うようにいかないものだ。

子どものためを想って言ったり行ったりすることがなかなか伝わらない。

時に裏目に出ることもある。

 

『子どものため』といいながら実は親のためにやってることもあるのではないか。

 

このたび最初に娘に「死にたい」と言われたとき、私は内心『そんなことで死なないでくれよ』と思った。

そう思ったけど言わなかった。

なぜなら私にとっては『そんなこと』でも娘には重大なことなんだと察したから。

娘にとっては髪の毛がクルクルしてることが死ぬほど嫌なことだったのだ。

 

もしあのとき私が「そんなことで死ぬなんて言わないで! 髪の毛が生えてるだけで幸せでしょ!?」などと言ったとしたら、娘の行動がもっと良くない方向に行った気がする。

それは親としての私の判断基準にすぎない。

 

もしあのとき私が娘にすがってワーワー泣き崩れ「頼むから死なないでよ~!!」と懇願して取り乱してたとしたら、娘は私に対して尊重しなくなってたと思う。

一瞬そんな気持ちになったがすぐに切り替えてできる限り娘の心に寄り添うようにした。

 

反省するとすれば、悩みがこんなに深刻になる前に日ごろから娘がもっと話しやすい雰囲気・環境づくりをするべきだったということ。

シングルマザーとしてガムシャラに15年やってきて、娘の心の奥底まで慮ることが欠けていたこと。

 

思い返せば自分だって10代のころはワケもなく尖ってて不安定でリスカに近い、シャーペンで手首を傷つけることがあったな。

子どものころは学校と家だけが自分の世界っていうくらいホントに狭い世界で生きている。

子どもにとってはその狭い世界がすべてなのだ。

 

大人になっていろんなことを経験して、いろんな人に会って、いろんなところに行ってだんだんと視野が広がり、客観的にものごとを見れるようになる。

〇〇がダメなら△△もある、というふうに選択肢や解決方法がいくつもあることを知る。

あのとき自分はなぜあんなちっぽけなことでクヨクヨ悩んでいたのだろうと過去の自分を振り返ることができる。

 

そう。本当は

可能性は無限であり、絶対に〇〇しなければいけないという常識に縛られる必要はあまりない

他人からどう見られるかとかどう言われるかを気にしすぎるより自分の気持ちを大切にしたい。

 

だから子どもにもアレしちゃいけないコレしちゃいけないと規制をかけるのではなく極力やらせてあげる。見させてあげる。考えさせてあげる。

あなたはあなた。他人と比べるのは意味がないことだと教えてあげたい。

たった一回しか生きられないから『今』を全力で生きることが大切だとわかってもらいたい。

 

「死にたい」と子どもに言われたときどうすればいいかと悩むお父さんお母さんにとって少しでも役に立てばいいなと思いながら書きました。

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

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はじめまして。 管理人のミオレナと申します。 50代で長野県在住。本業は金融関係の営業です。  世の中とても便利になったのになぜか毎日の暮らしはバタバタと無駄に忙しく心の中にはいつもちょっぴり不安を抱えていませんか。 人生も半ばを過ぎてくるといろいろしんどくなり、ちょっとしたことにストレスも感じるようになりました。 どうせ一度しかない人生なのだから極力ストレスをなくしてスッキリと楽しくすごしたいです。 自分だけでなく自分と関わってるたくさんの人たちの生活→人生が、今よりほんのちょっとでもストレスフリーでhappyになってほしい。 そんな願いを込めて、独自の視点と経験でお役立ち情報を発信していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。