この世は地獄と思うことがある。生きてるだけでお金かかるし楽なことはない。善い人は早く亡くなっちゃう。理不尽なことばかり。過去に戻ることは不可能だとわかってる。でも、わかっててもなんとかして戻したいときがあるんだ。
[ad#co-1]近所で偶然目撃した交通事故
17歳の男の子が亡くなった。
夕方バイクで帰る途、車とぶつかり救急搬送された2時間後のことだ。
事故現場は私が毎日通る道だった。
夜道に破片が散乱していた。
「事故現場を見たよ」
翌朝なにげに友人にラインした。
朝の一番忙しい時間帯に彼女にラインすることは普段ありえない。
「そうなの? どこで?」と返信が来た。
5分後に形勢が変わった。
「その被害者、もしかしたら娘の……………………彼氏…………」
彼女は亡くなった男の子が娘の彼氏だとすぐにはわからなかった。
友人たちが配慮して亡くなった事実を伝えなかったのだ。
驚愕した。
嘘でしょ!? という言葉が何百回もリフレインした。
私は男の子の名前も顔も知らない。
ただただショックだった。
17歳。
バイク。
仕事からの帰り道。
友人の娘さんのボーイフレンド。
これだけで胸が張り裂けそうになった。
なぜだかわからない。
悲しみで身体が震える。
仕事が手に付かない。
“自分の娘と同年代の男の子が近所で亡くなった。”
わずか17歳。まさにこれからだった。
なぜあの場所なのか……
なぜ運転手は見逃したのか……
なぜ彼じゃなければいけなかったのか……
どれほど痛かったことか……
どれほど無念だったことか……
親御さんはどれほど嘆き悲しむことか……
ガールフレンドの悲しみはどれほどか……
きっとイイ子だったに違いない。
もしも時間を巻き戻せるなら
もしもあと1分長くガールフレンドと一緒に居たなら
もしも気まぐれで違う道を通っていたなら
もしもあの直線道路でもう1kmスピードを緩めてたら
もしもあの交差点の信号が赤だったなら
もしも車が曲がらずに直進してたなら
もしも、もしも……
夢中で瞬間瞬間のピースを組み替える。
ほんの1秒の差で助かったかもしれない命。
一瞬で散った命。
全宇宙の質量よりもずっとずっと重みのある愛する人の命。
残された者たちは愛する人が亡くなったことの理由と意味をもがき苦しみ探しあぐねる。
それ以外どんな方法で納得できるというのか。
それなのにジッと立ち止まることを許してはくれない。
生きるということは時に残酷以外の何物でもないですね。
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