なにも悪くないのに鬼のように怒られたとき

あなたは何も悪いことをしてないのに怒られたことはないだろうか? 私は初対面のお客様に2時間も怒鳴られたことがある。なにもしてないのに……

 

悪くないのにメチャクチャ怒られた

 

仕事がらたまにお叱りを受けることはあっても2時間怒鳴られた経験のある営業マンはそうそういないだろう。

 

あれは3年ほど前のこと。

会社からの指示でAさんという60代のお客様を担当することになった。

さっそく引き継ぎの挨拶をしに、車で40分かけてAさん宅に伺った。

 

ピンポン押しても出てこない。

よくあることだ。

挨拶状をポストに入れた。

 

それから何度か訪ねてもいつも不在だった。車はあるのに出てこないから居留守なのだろう。

そのたびにポストにチラシを投函した。必ず手書きでひとこと添えて。

 

毎月4~5回は訪問したが一度も会うことができなかった。

会えないとなると余計に会いたくなるのが営業マンの性。

つい他のお客様より頻繁に足を運ぶようになっていく。

 

1年以上経ったある日。

ピンポン押してからいつもより長めに立ってたら、家の中からドンドンドンと微かな音がした。階段からガラス越しに誰かが私を見てる。

そしてついにドアが開いた!

ズングリした男性が出てきた。

Aさんだ。

 

「はじめまして〇〇会社の〇〇です。新しく担当となりましたのでご挨拶に伺いました。どうぞよろしくお願いいたします」型どおりの挨拶をした。

Aさんはちょっと怪訝そうな顔をしてひとことふたこと言葉を発した後に「ちょっと待ってて」と言って部屋の奥の誰かを呼びに行った。

 

“ん?  なんだろう??”

キョトンとして玄関外に立っていると、2階からノッシノッシと足音がして年配の女性が下りて来た。

奥様だ。

化粧ケはなく、髪もボーボーで目が吊り上がってる!

彼女は私を見るなり大声で怒鳴った。

「おまえの会社はなにやってるんだ!! 今さらなにが挨拶だ!!   たまにポストに紙切れかなんか入れるだけで20年間ひとりも来やがらなかったじゃないかーーーーーーーー!!」

 

“えええ!? この人なに怒ってるんだろ!?   20年間誰も来なかった!?!?”

あまりに驚いて目を白黒させてる私をよそに彼女は罵声を浴びせ続けた。半径100mに響き渡るくらいの大声だ。顔も気迫も鬼以上だ。

 

「20年間もですか!?  そうだったのですか。それは大変申し訳ありませんでした」

私は頭を深々下げて謝った。自分の落ち度じゃなくても相手からすれば同じ会社の人間には変わりないから代表のつもりで謝罪した。

同時にちょっと安堵したのだ。なぜなら奥様の怒りは私に対するものではなくて会社や前任者に向けてのものだとわかったから。

が、鬼はその安堵を見透かしたかのようにまた怒った。

「ふん!!  本気で反省してるようには見えないねーー!!!」

 

そのとき隣の家の犬が激しく吠えた。私が一瞬その犬と飼い主のほうをチラッと見て何かひとこと言った途端に彼女も吠えた。

「おまえ!! どこ見てやがるんだー!!  隣の犬のほうが大事なんかー!! おまえは我が家に訪ねて来たんだろ!?」

“玄関を開けっぱなしでこんな大きな声で怒鳴れば隣の犬も驚くよなー”

 

それからは私が何を言っても鬼は2時間も罵声を浴びせ続けた。2時間立ち続けるのは慣れてるが、2時間ののしられたのは初めてだ。

さすがに隣に居たAさんもバツが悪そうに鬼を制しながら言った。

「まあまあまあ……今までの人に比べたらこちらのかた(私のこと)はこうして訪ねて来てくれたんだからマシじゃないか」

“お~Aさんはまともなとこあるじゃないですか~” 内心ホッとする間もなく鬼がご主人であるAさんに対して怒鳴った。

「あんたはいったいどっちの味方してるんだ!!!!」

Aさんはオロオロしながら鬼と私の両方に気を使ってるようだった。失礼ながらなんか可笑しかった。

 

鬼は最後の最後まで怒鳴りまくって収集がつかず、私は結局目的を果たせないまま書類をそのまま持ち帰ることとなった。

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なぜ私が怒鳴られたのか?

 

やれやれ……あんな剣幕じゃあ今まで誰も寄り付かなかったのは当然だな……

まっさきそう思った。不思議と落ち込んではいない。

 

なにがあったか知らないけど、鬼はきっと何かとてつもない大きな心の闇を抱えてる。相当不満が溜まってたに違いない。たまたま訪問した私に力いっぱいぶつけたのか。

そんなことを考えたらなんだか鬼が気の毒に思えてきた。あれじゃあハッピーになれないよ……

たしか罵りながらも「お金がないんだよ……」とか「お腹が痛いんだよ」とか言ってたし。

 

逆を言えば可哀そうな人だなあと思えたからこそあれだけ罵られても極端に凹むことがなかったのだと思う。

 

帰社してすぐにこの2時間罵声事件のことを上司や同僚に報告した。

みんなビックリして「よく我慢してたねえ。あたしなら耐えられないよ」と言った。

同僚たちはそんな経験したことなくて比較的穏やかなお客様ばかりらしい。

かたや私が引き継いだお客様はどちらかというとクセのある人が多い。

 

偶然なのか?

負の引き寄せか?

 

『なぜ私ひとりだけがあんな目に遭わないといけなかったのか』

『もし他の人が訪ねて行ったとしても鬼は同じ対応をしただろうか』

『あれほど怒られた意味は何なのだろう』

 

3年経った今でも時々考える。

 

そういえばあれから私は誰かに怒られることがほとんどなくなった。今後もあのできごと以上に怒られることはまずないだろう。

そして叱られたり注意されたりしてもいちいち凹まず大らかになった。

さらに怒られなくなっただけでなく私自身が怒らなくなった。特に娘に対してはまるで別人のように穏やかになっている。

この変化は大きい。

そう考えるとあの鬼はやはり意味あって現れたのだ。

 

今回はメチャクチャ理不尽なことで怒鳴られたわけだが鬼のことは嫌いではない。

怒りの感情をストレートにぶつけてわかりやすい人だと思う。

わかりやすい人のほうが好きだ。

 

経験上こういう人のほうが後々ふとしたきっかけで急速に良好な関係になることが多い。

逆に最初からヘラヘラ愛想良くて調子のいいことばかり言ってる人ほど有益な関係を築けない。だから

怒られたときに凹んだり逃げるのではなく、なぜ怒ってるのか、どんな意味があるのかを考えてみよう。

もしあなたが理不尽なことでガミガミ怒られてるとき、罵倒されてるとき、こんなふうに想像してみたらどうだろう。

あ~~こいつこんなに偉そうにしてても腹が減ればガツガツ飯食うんだろな~

 

トイレで出ないときはウンウンいきむんだろな~

 

ジャケットとセーター脱がされれば寒くてブルブル震えるんだろな~

 

楽しいことなんてないんだろな~

 

家族からのけ者にされてるんだろな~

 

つまんない人生だな~

 

敵を目の前にしてても頭ん中で妄想してみるとおもしろい。

怒鳴ってる内容なんか聞いてるフリしてサーーーっと右から左に流してしまえ。

敵は怒鳴ることでしか表現できない能無しで哀れな奴なのだ。だから決して

怒られてるのは自分のせいだと考えないほうがいいよ。

 

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文章で説得するのはもう古い。 気付いたら買っていた現象を意図的に作り出す、心理誘導ライティング技術。

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