帝王切開は楽ではないですよ。世間のイメージに違和感

“あれ?? 帝王切開ってネガティブなイメージを持たれてるの?”と思ったきっかけは、友人に「子どもが無気力なのは帝王切開で産んだからじゃないの?」と言われたときです。そんなこと言われたの初めて。 普通分娩に対して帝王切開はどことなく”楽して産んだ”と思われてるみたいだけど、そんなことないですよね~、経験者のみなさん?

[ad#co-1]

帝王切開は楽じゃないですよ

こんばんは ミオレナです。

 

ひとり娘を16年前に帝王切開で産みました。

その理由はとても異例です。

妊娠する直前に子宮筋腫の手術を受けたため、傷ついた子宮が出産に耐えられなくなるからというものでした。

2週間早く取り出す『予定帝王切開』でした。

 

妊娠する直前に子宮筋腫の手術を受けたということは、言い換えると子宮筋腫の手術をした直後に妊娠したということです。

お医者さんからは「筋腫の手術をしたあとは最低1年は妊娠を避けてください」と注意されてたんです。

ですので言われたとおりにとてもとても気をつけていました。

 

それなのに妊娠してしまったんです。

まさかの妊娠でした。

16年たった今でも不思議でしかたありません。

だから自分の中では奇跡の妊娠と位置づけています。

 

なんのかんの言っても10か月後には帝王切開で出産することになりました。

 

子宮筋腫のときと違って帝王切開は半身麻酔です。

お腹のあたりにカーテンみたいに布が下げられて視界が遮られるのです。

目はしっかり開いて見えてるのに下半身には感覚がなくて、自分のお腹から下ではいったいなにが行われてるか見えないようにさせられます。

おへそ下10センチも切られて、パックリ開かれてもまったく痛みを感じないんです。

まあ、あの状態で痛みを感じてしまったら気絶しちゃうと思うけど。

麻酔の効かない人もいるそうですが、どれほど痛いことか想像もつきません。

 

下半身麻酔が効いてるとき痛みは感じないのに他の感覚はあるから不思議なんですよね。

赤ちゃんを取り出すときに何か固い板のようなものをお腹に入れられ、テコの原理でグイグイっと押し上げられた感覚がありました。

そのあとすぐに娘が出てきました。

 

その瞬間は感動というより、自分のお腹の臓器は今どうなってるんだろ? 赤ちゃんの顔は可愛いのか? そんなことばかり考えてました。

そして横たわったまま「先生、赤ちゃんはカワイイですか?」と何度か聞いてしまい「うるさい!」と叱られてしまいました 😳

帝王切開の後陣痛はかなり痛いよ

 

無事に娘が生まれて、医師たちが私のお腹の中の処置をしていました。

麻酔はまだ効いており、器具のカチャカチャとした冷たい音がします。

傷口を縫合して終わり。

 

そのあとなにをしたかはよく覚えてません。

だんだんとお腹が痛くなってきました。

「これがいわゆる後腹(あとばら)=後陣痛というものなのか……うぅ……」

この痛みがハンパないんです。

ジンジンとした、生理痛の重いような形容しがたい痛みが2~3日続きます。

この後陣痛というのは子宮がいったん5倍くらいに大きくなったものがもとに戻るときに不規則な収縮を繰り返すためです。

 

この痛みが普通分娩より痛いかどうかは、私は帝王切開による出産しか経験してないので比べることはできないです。

ネットによると「基本的にこの痛みは陣痛ほどではありません」と書いてあります。(参照: https://192abc.com/22377『こそだてハック』より)

「陣痛ほどではない」ことがわかるということはこれを書いたライターさんはおそらく自然分娩と帝王切開どちらも経験されてるのかもしれませんね。

いずれにしても後陣痛というのも相当痛くて「よく鎮痛剤打たずにいられましたね」とあとで看護婦さんに驚かれたほどです。

 

結局9日間入院しました。

 

帝王切開は恥ずべきことではない

 

17年前に子宮筋腫で切開手術→その翌年まったく同じ個所を帝王切開で切ってから16年たちました。

痛くもかゆくもなくほとんど気にしたこともありません。

温泉に入っても別にジロジロ見られたこともなかったですよ。

 

冒頭でも言ったとおり、娘の冷めすぎてる性格のことを友人にポロッと話したときに「それって帝王切開で産んだからじゃないの?」と言われたことが妙に引っかかってはいました。

怒りとか悲しみはなくて『帝王切開で生まれた子どもだから〇〇なのだ』という発想があること自体に ”え?”っと驚いたのです。

もし仮にそのとき友人に「なんでそんなこと言うの? そんな根拠でもあるの?」などと言い返すつもりはありませんでした。

彼女はそういう人なんだーと思いました。

 

その人の日ごろ想ってることがそのまま口に出ただけのことです

 

そのことはもう何年も前のことなんですが、なぜか今になって思い出されたのでちょっと調べてみました。

そしたらyahoo知恵袋にこんな相談が載ってたんです。

帝王切開にて出産しました。病室の外から「申し訳ありません」と実母が姑に謝っているのが聞こえました。なぜ謝らなくてはならないのでしょう?

2014年に掲載された相談です。

以下に続きます。

実母は、出産前に帝王切開の可能性が出てきた時から顔を曇らせて「まだ決まった訳じゃないでしょう。大丈夫、普通に産めるわよ。」などと言ってきました。

予定帝王切開なのに何を言ってるんだろうと思いましたが、私はその時「きっと娘を励ましてくれてるのだろう」と受け取り、聞き流していました。

そしていざ帝王切開で出産したところ、実母は「帝王切開だったことを普通に産めなかった」と考えてる様です。

これ2014年、たった3年前のお悩み相談ですよ。

 

相談者が帝王切開で出産したことを、実母が相談者の姑に「申し訳ありません」と謝るってどういうことでしょう??

帝王切開で産んだことが後ろめたいのでしょうか。

普通分娩があたりまえで、帝王切開がダメってことでしょうか。

 

世代や地域によって未だにそういう見方があるってことに愕然としました。

 

帝王切開は子どもや母体の危険があるときに医師がやむを得ずする手術です。

それ以上も以下もありません。

にもかかわらず妊婦が楽したいから、怠けてたからだ、半人前だとか偏見があるようです。

世間的なイメージだけでなく、帝王切開で産んだ妊婦さん本人でさえうしろめたい気持ちを持ってる人もいるようです。

本人がうしろめたく思ってしまうのは、まわりに心ない発言をする人がいるからなのでしょう。

 

月とか火星に移住するなんて話や、人工知能がどうこう言ってる現代ですよ!

未だにこんな化石みたいな偏った考えの人がいるとはビックリです。

ここでどんなに『帝王切開だってこんなに大変なんだ!』と力説したとしても化石頭の人たちに響くとは思えません。

人の考え方ってそう簡単に変わるものではありません。

そもそもどちらが優れてるとかダメだとか比べるものでもありませんよね。

 

お腹の傷が勲章とも名誉とも思ったことないです。ただの傷です。

医師の判断で子どもを帝王切開で産んだという事実があるだけです。

 

帝王切開と医療保険

 

普通出産は正常分娩、帝王切開は異常分娩と言われます。

異常なんて言葉がついてればドキッとしますよね。

“やっぱ普通じゃないんだ~”みたいな。

 

このような呼び方も帝王切開にネガティブなイメージが持たれる要因のひとつなのかなと思ったりします。

 

さて生命保険のお話です。

妊娠は病気ではないので、医療保険に加入してて入院したとしても給付金は出ません。

いっぽう帝王切開による入院・手術は給付の対象となります。

金額は保障額によって異なりますよ。

 

私の場合16年前、民間生保のきわめてオーソドックスなタイプの医療保険に入ってました。入院日額は5000円だったと思います。

9日間入院プラス帝王切開手術をして、医療費は合計でおよそ55万円かかりました。

生命保険からの支給額は30万円ほどだったと記憶しています。

 

国からの出産一時金や高額療養費などもいただいたので、トータルで赤字にはなりませんでした。

ここでいくら儲かった損したの話をしたいわけではないんです。

もし医療保険に入る気持ちがあるのなら出産前に入っておいたほうがいいです。

 

このあいだ知り合いの女性にこんなことがあったんですよ。

 

彼女は帝王切開で第一子を産んでから7か月ほど経ったときに生命保険に入りました。

加入する際に健康の告知をしますよね。

正直に「1年以内に帝王切開で出産した」と書いたため、保険に加入はできたのですが、契約に条件がつきました。

その条件とは『今後5年間の間に、妊娠にまつわる入院や手術の場合は一切支払いの対象とはなりません』というものです。

そりゃそうですよね。一度帝王切開をすると2人目も3人目も帝王切開になる確率が高くなるわけですから、保険会社としても条件をつけてリスク回避するのは当然です。

彼女も夫も納得してその保険に加入しました。

 

ところが2年後に彼女は2人目を出産したのです。

1人目と同じく帝王切開でした。

当然ながら1円も保険金を受け取ることはできませんでした。

 

残念ですよね。

これではなにかあったときのための保険としての効力が発揮されてませんよね。

5年間の条件がついてて『じゃあ5年たったらまた子づくりしよう』と思っててもなかなか予定通りにいかないものです。

 

こういう事例もあるので、もし医療保険を望まれるなら出産してからでなく出産前に加入しといたほうがいいですよ。

 

帝王切開も自然分娩もすごいこと

 

どんな産み方であれものすごく大変なことです。

どっちが上とか下とかまったくないと思います。

 

“普通分娩で苦労して産んで育てないと愛情が湧かない” なんてどうして言えるのでしょう?

そんなに簡単に区別できるものでもないし、人それぞれみんな違う。

なんでも経験しないとわからないほど人ってバカなの?

同じ経験してなくてもちょっと想像力を働かせればわかることです。

 

ひとりの人間がこの世に誕生すること自体とてつもなく奇跡的なことなんですから。

[ad#co-2] [ad#co-3]

ストレスを減らして楽~に生きたい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

ミオレナ

こんにちはミオレナです。 長野県在住の50代。本業は金融機関の営業です。 マニッシュな娘とふたり暮らし。 人の本質って年齢、性別、家柄、国籍、学歴、仕事、収入……とは関係ないところにあると思いませんか。 他人と比べてるうちはホントの意味で幸せになれない。 人に寄りかかってるうちは充実感は得られない。 なんというか全ては頭の中のこと。そして言動。 どうせ1回きりの人生なのだから自分の気持ちに忠実にいたいものです。 ワクワクや笑いも大いに大切にしながら…… こんなちょっと変わった奴が思いのまま綴ったブログです。 好きなこと: 手作り&リメイク、インテリア、山菜採り、海釣り、インターネット、洋楽、車、地味で個性的なファッション etc 好きなアーチスト: Styx、TOTO、ホイットニーヒューストン、マライアキャリー、 Glennis Grace、ビヨンセ、飛鳥涼