死ぬのが怖い。その恐怖から逃れるには (後編)

私は幼少期から ”自分が無くなってしまうことへの恐怖” を絶えず感じてきました。調べてみたら同じように感じてる人が意外に多いんですね。前編で『なぜ死ぬのが怖いのか』を中心に話しました。後編では、どうしたら克服できるのかを探ってみることにしましょう。

 

8601923511_3723a78b94photo credit: Amas d’étoiles des Pléiades (M45) via photopin (license)

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死ぬのが怖い3つの理由

 

前編では、一般的に死への恐怖には三種類あるとお話しました。

 

ひとつ目は ”生存欲求から湧きあがってくる恐怖”

ふたつ目は ”未知の体験に対する恐怖”

みっつ目は ”自分が消えてしまうことの恐怖”

 

あなたが一番恐れていることはどれでしょうか。

 

ひとつ目とふたつ目の恐怖は、どちらかというと直前までの過程と死ぬ瞬間に対する恐れを指してると思います。

つまり死ぬ瞬間は ”痛いのか” ”苦しくないのか” や ”家族に迷惑をかけたくない” などの想い。

 

多くの人は安らかに最期の瞬間を迎えたいから『ピンピンコロリ』などの言葉を使い、ピンコロ地蔵にお参りに行ったりします。

あるいは何かを信仰する人も多いですよね。

私が思うに、ひとつ目とふたつ目は信仰によって対処できる可能性があります。

 

しかしみっつ目の ”自分が消えてしまう恐怖“は、信仰によって克服するのは難しいという気がするのです。

自分が消えてしまうことを『虚無化する』 と呼ぶとしましょう。

虚無化への恐怖は拭い難く、その痛みはズキズキと鋭く、考えれば考えるほどどうしようもなく苦しくなってくるのです。

この感覚わかってくださる人いますか??

 

虚無化することへの恐怖を克服するには

 

いくら恐いからといって朝から晩まで意識してるわけにはいきません。

ふいに訪れるその恐怖を打ち消すためには、頭の中をサッと切り替える必要があります。

そうしないと日常生活をまともに送れなくなってしまいます😿

結局は何か外部からの働きかけではなく、やはり自分の考え方なのですね。

そこでこんなふうに考えてみることにしました。

 

生まれる前も虚無だったと考えてみる

 

ずいぶん昔に読んだ海外女流作家による本の一節にこんなやりとりがあったのです。

残念ながら題名は覚えていませんが。

虚無化することへの恐怖を訴える著者に対し、友人が放ったひとこと。

なにを言ってるの。あなたが生まれる前も ずっと虚無だったじゃないの

 

ハッと目が覚めた気がしました。

そうなんですよ!

たしかに自分がこの世に生を受けてからの時間は、気が遠くなるくらい壮大な宇宙の歴史からみるとほんの一瞬にすぎません。

自分が生まれる前までの “無”だった状態のほうが、とてつもなく長い時間だったわけです。

ですので死ぬということは再びかつての状態に戻っていくだけのこと、と考えることができました。

 

そうはいっても自分が亡くなった後の時間もまた永遠であり、その永遠という概念を考えるのもまたとてつもなく恐ろしいことなのですよ。

 

単に眠ってる間の状態と同じと考えるのはどうでしょう?

 

熟睡中ははっきりとした意識がありません。

意識がないのだから消えてしまうことの恐怖も感じることすらできません。

でも、どう考えてもやはり睡眠と死は同じではないですよね。

どんなに熟睡しても、数時間後には目覚めるのですから。

 

どうせ死ぬ間際は思考力も落ちてるだろう、と考えてみる。

 

若くして亡くなるのではなく老衰で亡くなると仮定します。

“その頃の自分はおそらく判断能力が乏しくなってて、まともな思考ができない脳になっている” 、と推察してみました。

この考え方も私にとってはやや効果的です。

願わくば臨終の間際はまるで赤ん坊のように訳がわからなくなりたい。

そうすれば死ぬことがどんなものかなんて考えることするできないと思うから。

ただし誰にも迷惑はかけたくないな。

 

“死んでも自分の魂は残る”というふうに考え方を変える

 

感覚的なことですが無になるより魂が残ると考えたほうが、なんとなく嬉しくなるのではないでしょうか。

 

虚無化することの恐怖より、後悔する人生を送るほうが恐怖だと考える

 

これです!!

結局このように考えることが一番腑に落ちました。

なぜか逆にムクムクとやる気が起きてきたのです!

 

ここであなたにひとつ質問があります。

たくさんの人の臨終を見てきた医療従事者の人に「死にゆく人々が最期に発した言葉で一番多いものは何か?」と尋ねました。

さてその答えは何だと思いますか?

 

「ありがとう・・・」だと思いますか?

私はそうだと思いました。

「お母さん・・・」だと思いますか?

「さようなら・・・」はどうでしょう?

答えは

 

こんなはずじゃなかった

だそうです。

衝撃的な回答ではないでしょうか。

意外ですよね。

 

とても切なくて、とても複雑な思いに駆られます。

亡くなる間際にこんな言葉をつぶやくということは、人はいかに我慢を強いられ、やり残したことが多くあるのかということの裏返しではないでしょうか。

 

であるなら、余計な見えざる壁や心の中の枠を外して「あ~~幸せな人生だった…」と思いながら死ねるように、最後の最後まで思いっきり充実させようではないかと思うのです。

つまらない我慢をしないで。

人の目や世間体を気にしすぎないで。

先入観・常識にとらわれすぎないで。

自分の正直な気持ちに忠実に。

好きなことを好きなだけ。

あたりまえのことですが本当に人生は1回きりで、生まれ変わることはできないと私は信じてるので。

 

以下は無名の水兵の言葉です。

「明日も生きられると思えば人は何もしない。今日死ぬと思えば、人は英雄になれる」

なんという名言でしょう!

 

あとがき

 

繰り返しますが一番大事なのは死んだ後のことではなく、死ぬまでの “生” の時間をいかに生きるかだと思います。

この生きてる間の時間をずっと怖がってビクビク生きるか、それとも怖がらずに生きるのか。

後悔しないで死ぬことを人生最大の目標にしたとき、おのずと毎日の一分一秒を大切にしたいと思いました。

全てのものに感謝し、幸せを感じながら過ごすことに繋がると思いました。

 

こう考えると『死』と真剣に向き合った人ほどより良い人生を送れるのだから、気づいた人はラッキーですよね。

 

つまりは『よく生きることはよく死ぬこと』なのです。

反対に、死をとことん見つめていない人が他人をいとも簡単に傷つけてしまうんだと思います。

だから人は時にはひとりになって深く深く思いを巡らせる時間を持つことが大切だと思うのです。

 

以上が私なりの『死への恐怖を和らげる考え方』です。

死の恐怖に苦悶してるあなたの心を少しでも軽くするお役に立てたなら、こんなに嬉しいことはありません。

 

2016年8月7日 加 筆

 

思うがままに綴ったこの記事を毎日たくさんの人に読んでいただき、本当にありがとうございます。

 

ある日曜日の朝たまたまリアルタイムでアクセス解析しておりますと、こんな言葉で検索されてるのだとわかりました。

なんとも言えない気持ちになりました。

そのときのキーワードは『臨終の恐怖を克服する』でした。

 

みなさん本当にさまざまな思い・悩み・苦しみを抱えており、藁をもすがる気持ちでネットという媒体に回答を見出したいのだと思います。

そういう個々人の『想い』に触れるたびに、慎重かつ丁寧に発信していかなければ…とあらためて思いました。

もしよろしければいつでも忌憚なきコメントをしていただくと嬉しいです。

なお、前編はこちらです。

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ストレスを減らして楽~に生きたい

2 件のコメント

  • 全ての 宇宙のシステム 進化しつつ出来上がって流れているのだから、死も 今の時点では ベストな 成り立ち なのかも〜

    死も 終わり ではなく 経過地点 でしかないのでは〜〜と、何となく、 でも、確信に近く 思っている。

    • 言葉 遊 様

      コメントありがとうございます☆ 
      『全ての宇宙のシステム 進化しつつ出来上がって流れている』という概念
      初めて聞きました。 そこのところもっと知りたくなりました。

      「死は経過地点でしかない」というのは、「宇宙の流れから見た自分の命は」という意味でしょうか。

      言葉様というニックネームの如く魅力的な思想をお持ちだと直感しました。

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    ミオレナ

    こんにちはミオレナです。 長野県在住の50代。本業は金融機関の営業です。 マニッシュな娘とふたり暮らし。 人の本質って年齢、性別、家柄、国籍、学歴、仕事、収入……とは関係ないところにあると思いませんか。 他人と比べてるうちはホントの意味で幸せになれない。 人に寄りかかってるうちは充実感は得られない。 なんというか全ては頭の中のこと。そして言動。 どうせ1回きりの人生なのだから自分の気持ちに忠実にいたいものです。 ワクワクや笑いも大いに大切にしながら…… こんなちょっと変わった奴が思いのまま綴ったブログです。 好きなこと: 手作り&リメイク、インテリア、山菜採り、海釣り、インターネット、洋楽、車、地味で個性的なファッション etc 好きなアーチスト: Styx、TOTO、ホイットニーヒューストン、マライアキャリー、 Glennis Grace、ビヨンセ、飛鳥涼