ひとこともしゃべらないそば屋の店主

同僚が「安くておいしいおそば屋さんがあってね、店主のおばちゃんが『いらっしゃいませ』も言わないんだよ」とときどき言ってました。なんだか気になったのでさっそく行ってみると・・・

photo credit: Photosightfaces The wish via photopin (license)

※画像のおばちゃんと本記事の喋らないおばちゃんとはまったく関係ありません

スポンサーリンク

ひとことも話さないお店とは

クラスにひとりはいませんでしたか? まったくしゃべらない子。卒業するまで一度も声を聞いたことないような子(先生に指名されて答える以外は)。

記憶ではたったひとりいました。たしか他校から転校してきた女の子。40年も前のことなのに、未だに名前も覚えてます。

覚えてる理由は、彼女が自分からひとこともしゃべらなかったというただその一点に尽きます。

 

そのとき以来40年ぶりに出会った超絶しゃべらない人が、今回のおそば屋の店主なんです。

詳しく書くと場所が特定されるので大ざっぱに言うと、町中にひっそりとたたずむ立ち食いそば屋です。

その店の前は何度も車で通ってたのに、気になりつつもスルーしてました。

同僚の体験談を聞かなかったらおそらく一生入ることはなかったでしょう。

“商売やってんのに、いらっしゃいませ”も言わないのはホントなのか”

川口探検隊気分で向ってみました。

 

店内に入ってまず目に飛び込むのは券売機。テンプラそばとか山菜そば、またはうどんを量別に選べることになってます。

値段は200~350円ほどのなんともリーズナブルな設定。立ち食いそばの平均的な値段ですか?これって?

 

あいにく小銭を持っておらず、そういうときは両替を申し出てくださいと券売機に書いてあったので、さっそくお札を店内奥にあるカウンターのほうに持って行きました。

いました! 噂のおばちゃん。

年の頃70歳くらいでしょうか。けっこうキレイな顔立ちしてますよ。にこりともしないけど。

「お願いします」とドキドキしながら1000円札を渡しました。

“なんで両替してもらうだけでこんなにスリル感じるんだろーね”

 

わずか数秒で小銭が返って来ました。無言で表情ひとつ変えませんでした。

“ホ、ホントだあ~”

ふたたび券売機に戻り、天ぷらそばの券を買いました。

もう一度カウンターに行って券をおばちゃんに渡しました。2度目の「お願いしまーす」です。

 

そして2度目の無言・無表情の受け取り。

カウンター前で待ってると2分くらいでおそばができあがり、カウンターにコトンと置かれました。 ”なんて早いんだ・・・そうか、これが立ち食いそばの売りなのか”

「ありがとう」と言ってみました。期待をこめて。

結果はチ~ンw

 

立ち食いそば屋といっても、テーブルといすもちゃんとあるんです。2つだけね。

大量の荷物を持つ私にはありがたく、そこでチャッチャと食べました。

 

お昼休みの時間帯、作業員風の男性たちが次々と店に入って来ます。みなさん黙って入って黙って帰るところをみると常連さんなのでしょう。

 

おそばの味はというと、すごく素朴であっさり。それでいてなんか味わい深さがあって私は好きです。素直に”おいしいな”と思いました。

20分くらいで食べ終わって、食器をカウンターに戻しました。もちろん伝えましたよ。「ごちそうさまでした。美味しかったです」

おばちゃんにわずかでも喜びの表情を見て取りたかった、という嫌らしい魂胆抜きに純粋に思ったことを口にしただけです。

結局最後まで無言でした。

photo credit: nakashi Yomoda curry and tanuki soba (half size) at Yomoda Soba, Nihombashi via photopin (license)

後日また食べたくなったから、また行ってみました。

今度は山菜うどん。

前回と同じくできあがるのが素早い。店内は立ち食いしてるおじさんひとり。

そのおじさんの「ネギを増量してください」に対しても無言で応じるおばちゃん。

 

もしかしたら、失礼ながら喋ることができない病気なのかな、とも思いました。

いらっしゃいませどころか、「はい」とか「いいえ」とかも全く言わず、にこりともしないおばちゃんの店なのに、お客さんはけっこうひっきりなしに入ってるんです。

2回行ってみてなにかを感じましたよ。

 

しゃべらない店主がいるお店に行って思ったこと

店内には観葉植物がいっぱい置いてあって、よく手入れされてあるんです。そういうのを見ると、優しい人なのかなって思いました。

お店がけっこう流行ってるのは意外でした。

余計な気遣いや煩わしさがない気楽さがイイんですね、きっと。

 

他のお客はどうだかわかりませんが、私はあのおばちゃんの声を一度聞いてみたいという心境に駆られてます。

薄笑いでいいからほんのちょっとのニコリを見てみたいです。

どうやったらおばちゃんの反応をとれるのかなって考えるのが楽しみになりました。

 

そして、ふと思ったんです。これって営業の仕事に当てはまるかもって。

 

私はいちおう営業マン。

お客によっては、雰囲気によっては、ついペラペラとまくしたててしまうことも少なくありません。

たいていそういうときって沈黙が怖いから。その場を無理と明るくしようとするから、なんですね。

『聴き上手』が良い営業マンの条件のひとつだと言われてます。頭ではじゅうぶん解ってるはずなのに、いざ現場に出ると逆をしてることが多いです。

 

おそば屋のおばちゃんは喋らないから、客の私はなんとか喋らせようとしてみる。

だったら、お客さんにいっぱい喋ってもらって心を開いてもらうためにセールス側の私は黙る。

そのほうがいいんじゃないかなって思ったんです。

 

しばらく忘れてたこの営業の基本というものを、おそば屋のおばちゃんから教わった気がしました。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

スポンサーリンク

文章で説得するのはもう古い。 気付いたら買っていた現象を意図的に作り出す、心理誘導ライティング技術。

もっと自由に魅惑的に人生をデザインしよう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

はじめまして。 管理人のミオレナと申します。 本業は金融関係の営業です。 日々いろいろなかたとお会いする中で "お客様に喜んでいただくには どんなbenefits(益)を提供すればよいのだろう" ばかり考えております。 人が求めているのは 『モノ』自体ではなく それを通して得られるbenefitsであることがわかります。 自分はもちろん 自分と関わってるたくさんの人たちの生活→人生が 今よりほんのちょっとでも良くなってほしい。 そんな想いで 暮らしやお金にまつわるお役立ち情報を発信していきたいと思いますので どうぞよろしくお願いいたします。